「火の鳥・未来編」手塚治虫 - ガエル記

この顔がかわいくて好きです!

手塚治虫火の鳥・未来編」の一コマです。「火の鳥」どれもめちゃくちゃ面白くて大好きですが、今回は「未来編」を選べないけど、一番面白いですね。「鳳凰編」とどちらがいいか、選べないくらい面白い。「鳳凰編」とは毛色がまったく違うのでますます選べないですね。うーむ。

以下、内容に触れてますので、ご注意を!

未来編で一番面白かった部分は最後に近い「ナメクジ」パートですね。(見てないんだけど、アニメではこの部分が割愛されているとか?ここないんなら意味なくない?)マサトがナメクジカップルにアダムとイブと名付けるお定まりも愉快ですが、呼びかけたマサトを造物主と呼んだり、「おまえたちがなんのために生まれてきたのかかんがえている」(ひらがな多いな)と言われてショックを受けぴょんと飛び上がったりするのが可愛い。さらには、「もちろんわれわれは万物の霊長として生まれてきたんですよ!」と威張るさまはどこかの誰か(答え:人間)にそっくりで苦笑いであります。「進歩しすぎたためにほろびたある種族をしっている」と忠告するマサト(=造物主)に「そいつらはバカだったのです われわれはそんな失敗はしませんよ」「まあみていてください」と自信ありげなのが皮肉ではありませんか。

その後ナメクジたちは発展し続けかつての人間たちをマンガ化したように歴史を繰り返す。文明が生まれ違った種族の間に争いが起き、やがて大きな戦争となって滅びる。

ついこの前、ダイアモンド博士のTV番組「ヒトの秘密」を見て彼の存在を初めて知ったのですが、その中で宇宙人はいるか?というのがあって高校生たちがいろいろな考えを述べていました。やっぱり宇宙人は存在する、という答えに対してダイアモンド博士の、ではなぜ地球人の前に姿を見せてくれないのか?「地球人があまりに愚かで話す価値がないと思っているから」私もそういう考えでしたが(高校生どまりですわ)ダイアモンド博士の「宇宙人はいるけど星間旅行できる前に戦争など絶滅してしまうから」という答えに「あーーーーっ!」となってしまったわけです。おいおい、何のために「火の鳥・未来編」読んでたんだ?何も学んどらんなボケ、というやつです。

「未来編」の特にここ、ナメクジ・パートはそのカラクリをわかりやすく教えてくれる部分なので割愛してはいけないのです。

「未来編」は「火の鳥」の二刊目にしてラストを描いている、ということらしいのですが、そこで語られる「こんどの人類こそきっとどこかでまちがいに気づいて」「生命を正しく使ってくれるようになるだろうと」という言葉に手塚治虫の願いが込められています。

ナメクジも言っているように人間も元のままの下等動物、少なくともどこか途中で満足していれば破滅へ向かうこともないのかもしれませんが、それでも発展し続けることを人間は決して止めることはできないのです。

ダイアモンド博士はその番組中で人類は今後30年ほどで最大の危機を迎える、と。

つまりは、2050年、今回の人類は「未来編」のナメクジの如く「我々は高等生物」と威張りながら滅亡するわけですね。

私の年齢ではもうその前に寿命を迎えてしまってるかも、なのですが、若い人たちのことを思うと未来編ナメクジの末路を避けてもらいたい。

マンガの冒頭では西暦3404年となっていて、まだまだ1000年以上の猶予があるかのようですが、現実はとんでもない、今回の人類の危機はすぐ目の前に迫ってきたのかもしれません。決してそんな馬鹿なことはない、と言い切れるものでしょうか。

「われわれはまちがったりしません」と驕った時、ナメクジの末路を迎えるのかもしれません。(普通のナメクジさん、ごめんなさい)

手塚治虫は50年も前にこのマンガを描いて警鐘を鳴らしていたのに、人類の道はどこへ向かうのでしょうか。

それにしてもムーピー・タマミちゃんが可愛くて切なくて辛いです。こういうの見るとほんと人間が嫌いになります。皆彼女を利用しようとしか考えてないし、その点についてはマサトも同じでむかつきます。滅びてしまえとすら思いますね。

ブラドベリイくんもかわいそうでした。おろかな人間め〜〜〜滅びたほうがいいのかも、です。

いやいや、がんばってくださいねえ。